青き鼓動

好きなことについて言語化するブログ

追憶のソロイベ2018 ~先輩として生きた一日~

「衝撃の鬱エンタメ」こと奥野香耶ソロイベント2018から1年が経過しました。

とある緑勢の覚書 - Togetter

おもにこのtogetterにまとめられている内容なんですが、やはりしっかり書き残しておこうかな、と思いまして。レポートとしてはもっと秀逸なものがゴロゴロ転がっているでしょうけれども、自分がどう感じたのか?という点をより具体的に、イベント直後に書き殴ったものをちょこっとだけ修正して、投稿しようと思います。

当時は頭が整理できなくて公開に至れるほど書ききれなかったんですよね。それでも90%くらいは書けていたので、概ね当時の心境がそのまま書かれています!

実はこれについて書きたくてブログ開設したんですよw

それでははじめましょう!

 

 

 はじめに

2018年のWUGソロイベント。

普段はグループとして活動している各メンバーが割り当てられた東北六県の会場に赴き、単独イベントを催行するもので、TUNAGO東北ろっけんソロイベントツアーという共通タイトルがつけられていました。。

昨年(2017年)までは東京・同会場でのセントラル開催方式をとっていたので、わぐも新しい取り組みするなぁ面白いなぁと感じていました。箱推し勢の交通費ヤバそうだなぁともw

3/3の青山吉能@青森を皮切りに、各々の会場で最高の空間を作り出し、参加者は口々に「最高のイベント(ライブ)だった、行ってよかった」と"優勝"していました。

それをみたぼくも「みんなステキなソロイベントを開催しているみたいだし、きっとぼくの推しも過去最高のソロイベントをやってくれるに違いない。それだけのポテンシャルは持ってるんだから。かやたんもラジオで『絶対楽しいからファンなら来て欲しい』って言ってたしとても楽しみ!!」「7人が7会場で得た一体感、達成感を以ってわぐらぶバスツアー・5周年記念ライブにつながるのいいよね〜」と謎の自信を胸に3月を過ごしていました。

盛岡で夜を迎えるまでは…

 

3/24土

大宮から新幹線で盛岡へ。えきねっとのお先にトクだ値は取れなかったんですが、普通のトクだ値で行けてありがたかったです。新幹線大好きなので、基本長距離は新幹線使いたいんですよね。のんびり車窓を眺めながらの3時間弱でした。

 

先日降った雪もほとんど残っておらず、寒くもなく過ごしやすい気候でした。

開場までの時間で福田パン石割桜などを来訪。もっとはやくきて、たくさん観光したかったですね〜今度は小岩井農場とかいってみたいです!

 

【昼の部】

番号は40番くらいだったので3列目やや上手寄りをゲット。下手側だと目の前で原稿読みがあったのですが(マイクスタンドが置いてあった)、真正面で近距離だと緊張するしちょっと外れるくらいが俺には丁度良いかなと思って逆サイドに陣取るチキンでしたね。ザコ!!!!!!!

 

昼はたのしかったですね。昨年と同じ応援上映(アフレコ体験)スタイル。

本編開始前の応援上映練習パートで「他の人のソロイベ行きました?」「い、言えないよ!」みたいなやりとりや、「あなたの推しは誰?(名前を自由に叫んでください、とモニターには出る)」(客電がつく)みたいなやりとりをさせるのが実にかやたんらしいw昨年にはなかったLINE風の画面でのやりとりが登場したりして「パワーアップしてるなぁ」とニコニコしていました。

「ワグ」というグループに所属する声優の「奥野カヤさん」が、地元の盛岡でイベントをやることになったので、高校の時にちょっと気になっていた「先輩」を招待する。イベントをやっている躰(メタ視点で言えばイベント内イベントってかんじですね)で曲を歌い、イベント後に久しぶりに会って付き合うことになる、という今後の展開に胸膨らませるハッピーエンドでした。公演前に連絡を取り合った際の「先輩にわかるように合図しますね」という前振りから行われた投げキッス最高すぎてな…映像化してくれ…

ヨロコビ・シンクロニシティも聴けたし楽曲の面でも大満足でした。

 

スタッフによるイベント内イベントの終了アナウンスが終わって、会場近くの岩手銀行赤レンガ館前で落ち合うカヤと先輩。告白して、付き合うことになって終了したのが昼公演でした。

そんなだから昼公演後のツイッターでは奥野カヤさんの彼氏面してるオタクがたくさんいましたねwまぁそらそうなるわな、という内容でした。俺がかやちゃんの一般男性だ。

 

 【インターバル】

昼公演の最後に「後で電話しますね」と言ったカヤさんから、電話風のボイスメッセージが(わぐらぶを介して)届くという素敵仕様。公演の合間にもこういう仕掛けがされていて、ぐっと引き込まれますね。

マチソワ間は某氏の車の中でi☆Ris河口湖の映像をみていました()

 

【夜の部】

問題の夜の部です。

番号自体は大きめだったので、下手寄りの機材席付近、マイクの正面辺りを陣取ることに。よしこれで演技する推しを正面から見られるぞ!!!遠いし目が合っても大丈夫だ!!!(フラグ)

 

はじめはデート風映像の放送からスタート。

今思えば幸福の絶頂期でした。オタクはみんなにやにやしながら映像みてたんじゃないっすかね。

 

ストーリーが進んでいくうちに「声優としての私ではなく、素の私をみてほしい。だから声優イベントには来ないでほしい」とカヤは言います。

「先輩(ぼくらお客さんのことです)には、綺麗な部分の結晶である声優としての私ではなく、嫉妬深く、綺麗だけでない素の私を愛してほしい」というコメントを出していたのが印象的でした。

声優を推していると、一般的には綺麗な部分の結晶である部分しか見えません。たまたまオフに素を出しているシーンに出くわす確率なんて限りなくゼロに近い訳で。

演じることを生業としている人たちが、ラジオやイベントで喋る人格が果たして素なのか?どこまでが演技でどこまでが素なのか?とか昔アホみたいに考えていた時期があったのでちょっと心がチクチク痛みましたね。自分自身ではそれに対する答えを得て、その上で声優さんを推していたつもりだったんですが、演者側から踏み込まれた時に気持ちがザワザワしたってことはフタをしてただけなのかもしれませんね。

また向き合う時が来たのかもしれません。今考えたら別の答えが出るんでしょうか。

 

声優としてのカヤも好きな先輩はこっそりイベントに参加して、イベ後にカヤに叱られる。「イベントに参加しない、カヤの嫌がることはしない」と約束するも、二人で会っていたところを"岩春砲"の餌食になってしまい、以来会うこともままならず徐々に心理的に追い込まれていった両者。

一方は今度岩手で行われるソロイベントが終わったら会おうと心に決め、一方は「へこんでいる」というメッセージをSOSだと受け取り、「プライベートで会えないならイベントに行くしかない、今度岩手で行われるソロイベントに行こう」と心に決める。

このシーンにおいて先輩の独白コメントは赤文字で表現されていて、内容も相まってだいぶしんどかったですね。どうみても破滅に進んでいるがそれを止められない・変えられないっていうのは…ゲームにはポーズボタンや別の選択肢があるけれどこの公演にはもちろんあるはずもなく。ただ用意されたテキストをなぞっていくしんどさよ。

 先輩は先輩でカヤを支えたいという気持ちがあったのかもしれませんが、結果的に約束を破った先輩に用意された結末は…バッドエンドでしたね。

 

こうして、現実時間では夜公演も終盤であろうというタイミングで「奥野カヤが岩手でソロイベントをやります」という流れに。ソロイベ開演前、先輩が会場内に居ることを発見したカヤの口から洩れてきた「素の私より声優の私のほうが好きだったんだ」という言葉はとても重かったですね。

そうじゃないんだ。声優としてのカヤも好きだし素のカヤも好きだよ。どっちも支えたいって思う。だからこうしてここに来た。折角の地元凱旋の公演で頑張っている姿を応援したいし。

僕はそんな気持ちでした。地元に来てくれたタイミングだし(先輩は岩手で働いている設定っぽかった)、ここから改めてやり直そうっていう認識でいたんじゃないかなぁと勝手に解釈しています。それだけの余裕は無さそうな描写でしたが…w

 

イベント(内イベント)そのものではスキキライナイトでかやがすきーやれたし、琥珀色キャンディ聴けたりとこちらも大満足でした。あのねの前の2曲のMCで「この曲は離れてなかなか会えない人を想った曲なんですけど」って言ったときの目線の外し方が好きでした。

 

ソロイベ終演後、来てくれた地元の友達にも連絡する中で「先輩にも連絡しなきゃ」とはしゃぐカヤ。スマホをいじりながら「家に帰るまでがイベント」「無事に帰れるといいですね、先輩」と言われたんですが、声色と表情から徐々に感情を失くしていく様子がうかがえました。たまたま正面に陣取っていたため、氷のような表情をまっすぐみつめてしまった…自分のエリア確保の判断基準一体どうなってんだよ。

このセリフの後すぐにはけていって、スタッフによる終了アナウンス。公演時間が1時間半と比較的短かった点や昼公演時はスタッフによる偽の終了アナウンス(イベント内イベントが終了するアナウンス)が流れてかやたんが出てくる演出があった点、前年のソロイベでは公演終了後にネタバラシの時間があった点を踏まえて、なにより「こんな終わり方ってある?」と思って、続きがあるんじゃないと考えていたオタクは多かったんじゃないかと思います。僕もそうでしたw

わりとガチめのかやたんコール(アンコール)も3回目の終了アナウンスで潰されて、ようやく出ていくオタクたち。あんなに客席が動揺している、3回も終了アナウンスがされるイベントはじめてですよ…なかなか無いですねw

 

【終演後】

会場を出たところで知人と合流。いやー…会場前の道路は不穏な空気が漂っていましたね。とても声優さんのイベントが終わった後の雰囲気では無かったです。何故他6色が優勝しまくっているのに緑だけ恐怖と混乱に支配されているのか!!!!!!(あの時の映像撮っておけば貴重な資料になったんじゃないかなぁと今になっては思います)

WUG公式Twitterでは明るいテイストで「無事ですかー!?」と問いかける奥野香耶さんの動画がアップされていましたね。無事なわけあるかよ。

 

知人3人と、会場近くの東北の名産が味わえる居酒屋で打ち上げ。

適当に歩いていた時にみつけたお店になんとなーく入ってみたのですが、料理のクオリティも高く、更にはさんさ踊りがみられたり、人生ではじめてホヤをたべたり(食べられなくはなかったです)、同じイベントに参加した人に配布芸を始める人がいたりと充実した時間を過ごせました。

i☆Risさきさま推しのわりとつよいオタクが「こんなイベントをみせられて、自分が奥野香耶さんのオタクだったらこの界隈で生きていく自信ないです」って言ったり、普段はイベント後にイベントと関係の無い音楽の話をたくさんする楽曲派の友人がイベントの話ばっかりしていたり、まゆしぃ推しだったはずのオタクがあんなものをみたばっかりにかやたん推しに転びそうになっていたり、「この店暗いから刃物を持った(自主規制)さんが忍んでいるのに気付かなくて、油断したタイミングで刺されそう」とか言うオタクがいたりする、ハートフルな打ち上げでした(しろめ)

いい雰囲気のお店だったので、また行きたいですね。

 

と思っていたところに届くカヤからのメール。

公演中に先輩に送信していたメールそのものでしょう。ガチでふられるテイストのやつでした。

ブログはブログで(土曜日は香耶の更新日です)、「 今日は今日の余韻に浸ってほしいから」詳細については触れずにおあずけ。

ある程度予想していたとはいえ実際にやられると…凄い勢いで追撃を喰らってめろめろでした。

 

ともあれ一緒に打ち上げした3人とも、本当にありがとう…!!

正直あの状態で一人投げ出されていたら○んでたと思います。

ビジネスホテルの自室に着いたらドアというドアを全て開け何も無い(居ない)事を確認し、大浴場に行く際にはバスタオルを忘れ、疲れて眠いはずなのに全く眠りにつけなかったくらいやられてました…

 

3/25日

目覚ましが鳴る前にばっちり目覚めました。すいみん不足…!

一晩寝ても気持ちは整理できず、新幹線を待っている間に熱をぶつけたのが冒頭にあったtogetterの内容です。

早めの新幹線に乗って関東へ戻り、13時すぎには横浜でガンバの試合を、19時には赤羽でスペリオの試合を観て、更には地元の銭湯で友人とひとっ風呂浴びました。

すぐに帰京して友人たちと会う事でまた少し落ち着けたように思います。それでもまだだいぶ心はざわついていましたが…w

昼と夜に試合を観て、「無事に家に帰って」、ぼくのソロイベント2018が終わりました。無事に帰れましたよ。

 

 

改めて、振り返ってみての総括

昨年のソロイベントをパワーアップさせたい、と事前に本人が言っていたように、よりぐっと話に引き込まれた気がします。東京という日常から離れて遠出した先で、昨年より小さな箱で開催されたことで観る側の気持ちも入りやすかったのではないでしょうか。

マチソワ間の電話風ボイスや、忘れた頃にやってくるさよならメール等、一公演だけでなく一日かけてかやたんワールドにどっぷりハマった感じがしました。推しの世界観に触れるの大好きマンとしてはこの上ない幸せです。URAの密着ドキュメンタリーがどういったものになっているのかも、とても気になりますね。はやく届け…!!

 

このイベントで僕が感じたのは「現実と虚構を混同した構成であることを生かしきっている」ことですね。

後日ニコ生で本人が語っていましたが、「このイベントに声優・奥野香耶は出ていない」んです。でも「ワグというユニットに所属している、声優の奥野カヤ」という人が出てきていて、我々に「大好きだ」「(カヤの)嫌がることはしない!」と叫ばせるなど現実の奥野香耶さんが好みそうな掛け合いをやったり、奥野香耶さんが好きなもの(壁など)の話が出ていて、これがフィクションなのかあるいは現実なのかを曖昧にしていると思ったんです。

そうすることでフィクションなんだけれども本当なのかもしれない、という疑念を抱かせ、疑似恋愛という甘やかしでまんまと罠にはまり、夜公演で仕留められました。

あのときのぼくは、そして我々は完全に先輩でしたね。だからこその夜公演であれだけダメージを受けたんだと思います。しっかり世界観に引き込まれたからこその動揺だったわけです。

 

たとえば、奥野香耶さんは女子高育ち(であると本人が公言しています)だから、今回登場した「先輩」は実在し得ないんです。

でもあれだけ感情移入したものをみた後だと「現実の俺たちを差し置いて、公演後に会っている人が居るのでは?」とか邪推してしまうんです。

オタクは深読みが大好きなので、あの公演でどこまでがカヤの気持ち(フィクション)で、どこまでが香耶の気持ち(ノンフィクション)なの?とか考えだすとまとまらなくてごちゃごちゃしてきますね。

エゴサ親に禁止されてるんだよな」とか、ナチュラルなテイストで言われたりして妙な説得力を感じたり(それでもたまーにしているんだろうなぁ、と勝手に思っていますが)。

考えれば考えるほど何もかもが怪しく思えてきて、深みにはまっていっている気がして仕方が無かったです。でも考えずにはいられなかったんです。それだけのものを残していきました。

 

そして今回のソロイベ曲である「あのね」の持つ重さ。ソロイベに参加することでただ単に「良い曲だね!」で片付けられないものになりました。

曲も歌詞もよく練られていますね。全てがソロイベにつながっているんじゃないかと感じちゃいますね。

夜公演の最後の歌唱があのねだったんですが(昼は4/6曲目くらいでした)、まぁしんどかったですね。歌詞もしんどかったしパフォーマンスもしんどくて、今までの話の流れを思うと心が重かったです。MCも。

この公演が終わってからというものの、この曲を聴くとなんかこう…心臓がキュッってなるんですよね。1年経った今でもそうです。ぼくはガチ恋じゃなかったはずなんですが。

 

再演希望、次回作があったらもっとすごいのにしてもいい、と言っていたけれども、この結末をあまり予想している人が居なかったからこれだけの衝撃度を与えられたわけで、これ以上のことをやるとなるとまたハードル上がるけどいけるんかな?とも思います。それでもあの手この手で仕掛けてきて、「こいつ底が見えないなすげえな」と思えたら僕はハッピーですね。たとえば再演できたとして、話を聞いた他色推しを引き込めるかどうかは…本人次第ですかね。

まぁそれでもなんだかんだでやってしまうんだろうなぁ、と思ってるし、そう思えるから推してるんだと思います。推しには可能性の塊であってほしいし、実現できる実力や思考の持ち主であってほしいと思っているので。

 

ということで再演された際には奥野香耶オタクでない皆さんも是非ふるってご参加ください!最高の鬱エンタメで新しい扉を開きましょう!

 

 

おわりに

当日は全く考えられなかったことですが、今なら言えますね、「最高のイベントだった、行ってよかった」と。個人的今年(2018年)のベストイベント最右翼ですよこれ。あれだけ衝撃的なイベントはなかなか無いですね。

あれだけ上げて落とされたのにより忠誠心増してるんだから不思議なもんです。周囲の方も継続して応援されている方が多くて、よくわからなくなってきました(褒め言葉)。高まって優勝するだけがイベントではない、そうでなくとも爪痕を残せるんだ、といった主張を感じた一日でした。

後日、ニコ生やイベントでソロイベの話題になった際に 「クセになった?」と聞く奥野香耶さん。前回で形式に慣れたオタクが、わざわざ岩手まで奥野香耶さんを見に来るような熱心なオタクを相手に、あれだけのものをブチ込める奥野香耶さん。彼女の仕込んだ毒から誰も逃れられないし、気付いた時には手遅れですね。沼!!!!!!!

本人もブログで書いてたし、きっと思惑通り振り回されてますね。だがそれがいいんですね。あの子が好きな事をして、それを応援して、あの子が楽しそうにしているのを見られればぼくはいいので…

 

 

改めて、奥野香耶さんのことをもっと大好きになった一日でした。

これからも彼女の織り成す世界に触れて生きていこうと思います。